:銀行て籠もり事件

〜ドレス令嬢 間に合わなかった一分間〜

とある夏の日の夕刻。

全国のテレビ画面には、どのチャンネルにも皆、同じガラス張りの建物が映し出されていた。

主に富裕層を顧客として扱う某銀行の建物。
この銀行に今、銃を持った男が立て籠もっているのだった。

銀行立て籠もり事件の映像では普通、銀行の建物にシャッターが下ろされているものであるが、この銀行にはシャッターなどという古めかしいものは備え付けられていなかった。大きな窓には全て、内側から白いブラインドが下ろされてあった。



美しき人質



事件発生から2時間……。

行内には沈鬱な空気が漂い、ただ、時たま犯人のたてる靴音のみが響いていた。
床は大理石。

先ほどまで行われていた警察による犯人への呼びかけも今は止んでおり、交通規制された付近一帯は静寂に包まれていた。

犯人は猟銃を持った黒い革ジャンの男で、黒い帽子をかぶり黒いサングラスをかけていたが、髪の白髪や顔の皺から見て、50代か、それ以上のものと思われた。
人質は皆、ガムテープで後ろ手に縛られ、その多くは床の上に座らされていた。ただ、行員たちだけは皆全裸にされており、特に若い女子行員たちのほとんどは、カウンターの前に全裸の姿で立たされていた。

その数は、行員と客とを合わせて約
40人。

客たちの多くは、さすがに富裕層を相手とする銀行だけあり、見るからに高価な服を身にまとっていた……。

時計の針は5時
30分を今、指した。

人質たちの様子には、疲れの色が濃厚だった。

皆、だらりと首を垂れ、身動きする者は誰一人ない……、ように一見思われた。

だが、しかし、実はその中に、ただ一人身動きをしている者がいたのであった。

それは、美しい薄桃色のドレスに身を包んだ、髪の長い娘であった……。

腰まで達しようかという長い黒髪の左側を桃色のコサージュで飾り、両腕を後ろ手に縛られた娘は、硬く冷たい大理石の床の上に大きくスカートを広げて座り、もじもじと身体を動かしているのであった……。

彼女はスカートから伸びる純白のストッキングに覆われた形良いふくらはぎを身体の右側に揃えて座りながら、広がったドレスの中で両太ももを摺り合わせるようにして蠢いていた。

年齢は、20代後半から30代初めほどか? しかし老けたような印象は全くない。その顔は、一見して沢口靖子を連想させる、整った上品な顔立ちをしていた。

娘の横に座っている中年婦人は、先ほどから娘の異常に気が付いており、彼女の方を心配そうな表情で見ていた。

「ん……、ん、んんっ……。」
娘の口からは、時折、切なげな声が聞こえていた。

大きく首周りが露出した薄桃色のドレス。両肩から胸にかけて、大きなセーラーカラーのようなデザインになっているドレス。そのセーラーカラーが合わさる部分に、大きな、ドレスと同色のコサージュが飾られ、首には真珠のネックレスが上品に巻かれていた。

「は、ん……ん……っ……。」

娘は両肩をすぼめて全身を力ませ、そうして、また再び両脚をもじもじと摺り合わせていた……。

「ねえ、どうしたの?大丈夫……?」

隣の女性は、いよいよ小声で娘に尋ねた。

娘は顔を少しだけ女性の方に向け、小さく頷いた。

しかし、娘の両脚は相変わらず、大きく広がったドレスの中で摺り合わされたままであり、彼女が何らかの苦痛を抱えていることは明らかだった。そして、同性である中年女性には、おおよそ娘が何に苦しんでいるのか、大体の見当が付いていた。

「ねえ……、おトイレ……?」

中年女性は娘に尋ねた。

近くに男性らがいる状況。娘は顔をひきつらせ、みるみる、その美しい顔を紅潮させて行った。

「おトイレなのね…?」

女性はさらに娘に言った。

娘は、顔を真っ赤に染めたまま、うつむいて小さくコクリと頷いた。

中年婦人は続けて、

「オシッコ……?ウンチ……?どっち……?」

そう、心配そうな顔をしたまま、念のため娘に尋ねてみた。娘は顔を赤らめ、恥ずかしそうにうつむいていた。

「オシッコだけ……?」

女性は、返事をしない娘に対して、さらに質問した。

娘はその質問にやや躊躇した後で、再びコクリと頷いて見せた。

娘は尿意を催していたのであった……。

女性は「困ったわねえ……」と小声で言い、顔を曇らせ娘を見つめた。

娘はドレスの中で両脚をもじもじと摺り合わせ、落ち着きなく蠢いていた……。

犯人はこの時、猟銃を手にしてブラインド付近を歩き回っていたが、ふと後ろを振り返るなり、娘を見る女性の方へと足早に近寄って行った。
人質たちが顔を上げ、犯人を目で追った……。

「何話してるんだ、このババア……!」

男は中年女性の前に立つなり、彼女を怒鳴りつけ、女性を蹴り倒した。

「きゃあ……!」

丸裸で立つ人質の女子行員たちが悲鳴をあげた。

女性は床の上に仰向けに倒され、怯えた目つきで犯人を見上げた。

「こ……、このお嬢さんが、おトイレに行きたいのよう……!」

女性は震える声で犯人に訴えかけた。

犯人と人質たちとは一斉に、女性が顔の動きで示した娘の方へと目をやった。

沢口靖子に似た美しい娘。

スッと通った鼻筋。

小鼻も形良く切れ上がり、横から見た顔には左右の鼻腔の隔壁となる部分が露出して見えていたが、その部分には毛穴さえ見えず、娘の美しさを引き立てていた。

「おトイレだあ……?」

犯人はそう言って、娘の前にしゃがみ込んで行った。

「お嬢様……。『おトイレ』行きたいのか……?」

男は床の上に大きくスカートを広げて座る、おめかし姿の娘を見て「お嬢様」と呼んだ。

男はうつむいた娘の顔を覗き込むようにすると、「お嬢様、おトイレ行きたくなっちゃったんですか?」と、さらに尋ねた。

沢口靖子似の娘は全身に人質たちの視線を感じながら、恥ずかしそうに顔を赤らめ、うつむいて震えていた。

人質たちは皆黙って娘の姿を見つめていた。

「小便か?ウンコか……?」

犯人は「お嬢様」に質問した。

娘は恥ずかしくて答えられない様子だった。ただ、ひたすらに震えて、うつむいていた。

すると中年女性が口を挟み、

「お……、オシッコよ……。」

と、恐る恐る犯人に告げた。

「うるせえ!このババア!お前に聞いてんじゃねえぞ……!」

犯人は逆上して立ち上がり、中年女性を再び蹴り倒した。

「全くうるせえクソババアだ……。」

そう言って犯人は、また娘の前にしゃがみ込み、

「小便か?大便か……?」

と、繰り返して尋ねた。

娘は顔を熟したトマトのように真っ赤に染め、両目をつむってかぶりを振った。

「答えねぇんじゃ、しょうがねえな……。」

犯人は言った。

「お嬢様。お嬢様はいつも、そんな格好で街歩いてるのかい?」

犯人は話題を変えた。どうやら先ほどから気になっていたらしい。

確かに、いくら富裕層を対象とした銀行とは言え、娘のいでたちはきらびやか過ぎた。

「パーティーに……、お友だちのお誕生日パーティーに参ります……。」

娘は、なんとも品のある美しい声で、小さく、そう答えた。

「お友だち?……お友だちって、カレシじゃねえのかい?」

犯人はそう言ってニヤけた。

「そんな綺麗なお顔をしてんだ。毎晩カレシにズッコンバッコンやられまくってんだろ?ああん?」

犯人はそう言って笑った。

「全く羨ましいぜ……!」

犯人が一転吐き捨てるように言う前で、娘は嫌悪に顔を歪め、いまだ赤く染まった顔を背けた。

娘は処女だった。老舗料亭の一人娘として生まれ、これまで箱入りで育って来た。

だが、恋はする。

これから行く友人の誕生パーティーには、娘が想いを寄せる男性も来ることになっているのだった……。

大理石の床の上に大きく広げられた薄桃色の娘のスカート。柔らかなオーガンジーの生地が幾重にも重ねられて波打つ、美しい娘のスカート。その中で、娘の両太ももは相変わらずソワソワと摺り合わされているのであった。

「お嬢様、相当ヤベエみてえだな。」

犯人は言った。

「小便か?大便か?それ言ったら便所に行かせてやるよ。」

犯人はそう言ったが、娘は黙ってうつむいていた。そんなことを衆人環視の中で口にすることは、娘の「品」が許さなかった。

「お嬢様。おしっこですか?うんちですか?」

犯人は娘の美しい顔を覗きこむようにしながら問い詰めた。

娘は黙ってうつむき、顔を背けていたが、ドレスの中の両脚は、ますますせわしなく摺り合わされ出していた。

顔も、切迫した様子でひきつる……。

「おしっこですか?うんちですか?」

娘と犯人の様子を、人質たちが黙って見ている。

「お……」

娘が突然、声を漏らした。

続けて娘は、うつむいたまま何かを言った。しかし、その言葉は誰にも聞き取れなかった。

「あ?何だ?お嬢様。もっと大きな声で言ってみろ?」

娘は顔を真っ赤に染めてうつむき、両太ももをドレスの中で摺り合わせていたが、やがて再び声を発した。

「お……、オシッ、コ……

……。」

その言葉は文字通り消え入るような声であったが、行内にいる人質たち全員にしっかり聞き取られてしまった。

「ああん?何だって?良く聞こえねえなぁ?」

犯人は意地悪く、娘の方に右の耳を突き出しながら、大声で娘に言った。

「お……、オシッコです……!」

娘は思い切って声を大きくし、言った。

上品な、美しい声である。

もはや娘は、我慢の限界だったのだ……。

彼女はそう言うと、うつむいて顔を一層紅潮させて行き、ドレスのスカートに涙を落とし出した。

じっと見つめる人質たち。女性らは気の毒そうに、顔を歪めていた。

「あーあ、言っちまったな!お嬢様!」

犯人は大声でそう言い、笑いながら立ち上がった。

「『オシッコです!』か……!こりゃいいや!

「お嬢様、ついに言っちまったよ……!ハハハハハ……!」
そして犯人は娘の前に再びしゃがみ込むと、娘の頬に猟銃を突き付け、

「今の、録音しときたかったな……。銀行の前に集まってるテレビの連中に渡して、お前のそのおめかし姿と一緒に全国放送してもらいたかったよ……。ハハハハハ……!」

娘は真っ赤に染めた顔をうつむかせ、羞恥に唇を噛んだ……。

「お嬢様、子どもじゃねえんだろ?しょんべんくれえ我慢しろ!

「誰が便所になんか行かせるか……!」

犯人はそう言うと、立ち上がってブラインドの方へと帰って行った。

犯人は娘をトイレに行かせない。
娘は両脚をもじもじと、大きく広がったスカートの中で摺り合わせながら、深くうつむいて泣きじゃくっていた。

人質たちのうち、行員は皆、全裸にされていたが、若い女子行員らはカウンターの前に立たされる一方、男性たちはその前に座らされていた。

その時、一人の女子行員が、その男性行員たちの股間でイチモツが赤黒く立ち上がり、脈打っているのを発見した。女子行員は嫌悪に顔を歪め、思わず目を逸らした。

男性行員らは、沢口靖子と瓜二つの美人令嬢が美しいドレスに身を包み、衆人環視の中、尿意を堪えているその姿、状況に、思わず淫猥なものを覚えてしまっていたのだった。実は人質の男性らの大半は、その股間を勃起させていたのであったが、不運にも男性行員らは、丸裸のため、それを女子行員に見られてしまったのだった。

男性行員らの股間に気付く女子行員は、次々に増えて行った。彼女らの目は信じられないものを見たという驚きに一瞬見開かれ、そして嫌悪の表情がハッキリと浮かんだ。

人質のお客様が尿意を催しているというのに、彼らは何を興奮しているのか……!?

(変態……!!)

女子行員らは皆、心の中でそう叫んでいた。



絶望のとき……


娘はもじもじと蠢き続けた。人質の男性たちはチラチラと視線をやっている。犯人はブラインド越しに外の様子を窺い、猟銃を手に立っていた。

娘の動きは明らかに激しくなっていた。時折、娘は、ドレスの腰を浮かしては、また戻したりしていた。

心配そうに見る女性たち……。

男性の娘を見る頻度は、次第に高くなっていた……。

「は……、ん、ん……。」

娘は必死の形相でうつむき、ドレスの腰を浮かし、また戻した。

もじもじと身体を動かす。

床の上に大きく広がった薄桃色のスカートの中で、両太ももを激しく摺り合わせる……。

男の人質たちがチラチラと目をやっていた。

裸で座る男性行員たちのイチモツは、それぞれの太さや赤黒さで、大きく反り返り、脈打っていた。

やがて時計の針が、6時ちょうどを指した。

静まり返った行内には、尿意を堪える娘の息づかいだけが聞こえていた。

「は……、んんん……。

「んはっ……、んん……。」
形の良い鼻の、左右を隔離する毛穴一つ見えない隔壁が見える、そのあまりにも美しく整った横顔の娘は、落ち着きなくドレスの腰を上下させ始めていた。

ドレスの腰には大きく結ばれたリボン……。

男たちはチラチラと娘の様子を見やっていた。

その中で……、

「あ……、あ、あ……っ……!」

娘はそう声を発すると、身体の動きを止めた。

ドレスの尻がじゅわっと濡れ、娘の下から大理石の床の上へと液体が広がり始めた。

娘の薄桃色のドレスの尻から大理石の床の上へと広がって行く黄色い液体。

匂いが、あたりに漂い始めた……。

どよめく人質たち。

全員が娘を見ている。

娘はその中で、ドレスの周囲へと黄色い液体をみるみる広がらせていた。

うなだれる娘。

ひくひくと泣きじゃくっている。

周りに座る人質たちは、娘の周囲に広がる液体をよけて、もじもじと移動を開始した。

男たちの視線が"おもらし"する娘に突き刺さる。

女子行員らは気の毒そうに娘を見下ろしていた。

「あっ……くっ……!」

と、その時、20代の男性行員が、思わず後ろ手に縛られたまま射精をしてしまった。

「きゃあ……!」と声上げる女子行員たち。

男性行員は、高く白濁液を解き放ち、さらに何度も同じ行為を続けた。

顔を赤く染め、苦しそうな表情。しかし、脈打つ若い陰茎は白濁液を高く高く吐き続けていた。

「早く人質を解放し、出て来なさい!」

外で警察が拡声器を使い、呼びかけた。
犯人の男は騒いでいる人質たちの方へ歩きかけていたが、この警察の呼びかけを聞き、ブラインドの方へと戻って行った。

銀行内では沢口靖子似の娘が、大きく広がった薄桃色のスカートの周りに、さらに大きく小便を広がらせ、泣きじゃくっていた。

あたりに漂う尿臭。

見つめる人質たち……。



警察の強行突入により事件が解決したのは、なんとその1分後のことだった……。

娘は、あと一息のところで、最悪の姿を人質たちの前に晒してしまったのだった……。




「あっ!今、人質の皆さんが銀行内から救出されています……!」

テレビ画面には、銀行内から警察に付き添われ出て来る人質たちの姿が映し出された。

男女行員らの身体には、全身に毛布が巻かれていた。

やがて、あの令嬢も姿を現した。

顔をうつむかせ、泣きじゃくっている様子。

警察官に肩を抱かれて歩いているその娘のスカートには、毛布が巻かれていた……。



とめどなき羞恥



銀行立て籠もり事件、人質の女性が失禁のニュースは、すぐに週刊誌が大々的に取り上げた。沢口靖子似の美人令嬢は、一部の雑誌にその美しい顔写真を晒されてしまった。


"立花明日香さん"


娘は、その名さえ、本名で報じられてしまったのだった。


特級美人女性 ドレスのスカートに毛布のワケ
猟銃を手にした男に乗っ取られた銀行内では、美人女性が失禁する一幕もあった。立花明日香さん(32)。年齢を全く感じさせない清楚系美女である。美しいおめかし姿でスカートに毛布を巻かれ、解放されたシーンをご覧になった読者も多いと思う。女優の沢口靖子に瓜二つの御令嬢。あのスカートに巻かれた毛布には、ある理由があった。この美人お嬢様はなんと、美しいおめかし姿で後ろ手に縛られたまま、衆人環視の中"成人おもらし"を晒してしまったというのだ…!」

娘が銀行で人質に取られる中、我慢できずに失禁してしまったその恥ずかしいニュースの証言入り詳細記事は、娘が想いを寄せていた、あの男性にも読まれてしまった。
娘はこれから、"失禁お嬢様"として、生きていかねばならないのであった……。




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御感想などはtiara@aiueo.artin.nuまで。

この物語はフィクションです。登場する人物、建物などは、全て実在しません。

本作品の著作権は、本作のアップロード日から50年間、愛飢汚が所有するらしいです。